ECサイトでのお買い物(主に衣料)の満足度について考えてみる。
ネット購入の便利さはどこに?
ネットは簡単に買えると考えてる人も多いが、手元に届くまでの時間は、そんなに短くない。
近くにショップがあれば、実はショップで買うほうが早いことが多い。
例えば、今日が水曜で、週末に服を買いに行くことを考える。
(時間は、あくまでストーリーのための仮設定)
・週末、ショップに行くまで(3日間)
・店でどれを買うか悩んで(1時間)
ネットだとどうか、
・購入までに商品を選ぶ(1時間)
・配送、受取まで(3日間)
土日に受け取りたいなら、実際に土日までに配送されない場合、
ネットのほうが更に受け取るまでに時間がかかることもある。
ネットが便利だと思われてるのは、
買う決断までの時間を著しく短くしたことにある。
実際に上記の例だと、3日が1時間になっている。
・買いたいときに買える。
・売る側はもちろん、売る好機を逃さずにすむ。
双方に、それなりにメリットがある。
但し、上記の例だと、商品を受け取るまでの時間は残念ながら変わらない。。
便利にはなったが、、満足しているか?
最近、おもしろいスピーチを見た。
より直近の記憶が、経験の記憶として残ってしまうというものです。
スピーチにある検査の話では、
(A)のほうが検査時間が短いが、最後に結構な痛みを伴っているため、
検査時間が長く痛みが大きかった(B)より、嫌な記憶として残ってしまう。
これを痛みではなく、買い物の満足に置き換えて、
ショップで買うか、ネットで買うかを例に考えてみる。
ショップの場合、自分で見て、触って選ぶから、そこそこに満足・納得して買うことになる。
こんなん欲しくないよーという商品を
わざわざレジまで持ってく奇特な人はあまりないだろう。
ネットだとどうか?
箱を開けてみて「3日待って、これかよ!」ということはある。
現実には、商品を受け取る以前に、配送業者の扱いが雑だったりで、箱がつぶれたり、汚れたり、それだけで返品されることもある。
(ということもある、という話です。配送の方、いつもありがとうございます。)
結局、商品を受け取ったとき・箱を開けたときの記憶が、その買い物全体の評価を左右してしまう!ことになり、もうネットで購入なんかしない!という方も出てくるでしょう。
まして、受け取りまでに期待が膨らんでいると、期待外れの度合も大きくなるし、イメージやサイズが異なってしまうと、満足以前に納得すら得られないことになる!!
ネットで上手に買い物するには
高価な商品を買えば、期待も大きくなる分、その危険性は高くなると感じる。
買い慣れないうちは、ネットで高額のお買い物というのは避けるのが、うまいやり方かもしれない。
イメージが異ならない、日用品や消耗品だけに利用するというものいいかもしれない。
(それだと私は困るわけですが・・)
地方にいて、ショップまでいけない。
とか大きな理由があれば、その辺、ある程度、納得してしまう方もいると思われる。
ダニエル・カーネマンのスピーチであれば、
配送までの時間が仮に短くなっても、それは納得や満足の記憶とはあまり関係がない、ということになる。
きっと配送が3日から1時間になっても、箱開けて「なんだよ、これ!」ということがある限り、満足した記憶は残らない。
商品イメージの差異をなくす
では、何もできないのか?
売り手側の工夫としては、
少しでも、商品イメージとの差異を少なくしようとしている。
・メーカーサイズではなく、実寸を測って表示
・商品画像を増やす
(モデルを使った動きのある画像、いろんな角度、細部の画像)
参考:
ファッション系Eコマースにおける「商品写真」のあり方について、今一度よく考えてみよう
http://in-fashion.biz/ec/2820/
ただ、こういった取組も、
・着慣れたブランドだと、実寸表示がアダとなる
・モデルの体型と自分の体型が違うから、イメージが異なる
・商品撮影に、どれだけ時間なりコストなりをかけられるか?
という問題が残る。
買い慣れない人からすると、細かいサイズ表示は、逆にわかりにくいし、
この辺、まだまだ工夫の余地がありそうだ。
新たな取り組み
更に最近では、メーカーのキャンペーンあたりから始まった着せ替えなんかのサービスもある。
polyvore
http://www.polyvore.com/
Webカメラを使った採寸サービスが、ドイツのベンチャーあたりがやってるとか聞いたので、
その辺と、組み合わせたサービスなんかも考えられる。
また、料理ではクックパッドさんなど、レシピサイトが大きくなってきている。
レシピサイトみたいに、着こなしを紹介するサービスがもっとあってもいいと思うし、
メーカーは嫌がるかもしれないけど、
同じブランドや同じデザイナーの評判(口コミ)なんかが、ギャップを埋める手立てとなるかも。
と期待しつつ、
自分ができそうなことにも考えて、提案していかないとな。