マフィアオファーって何よ?
えらくパンチの効いた名前ですよね?
マフィアオファー*1は、断ることができないような魅力的な提案を行うための方法です。
断りづらい提案というものは、どういう構造をしているのかを明らかにしつつ、その作り方がまとめられています。(現在の形が、このツールの最終形かというと、個人的に、理解の仕方/使い方の固さが感じられることから、さらに発展しそうな気がします)
さらに付け加えると、TOC(制約理論)でいう変化しようとするときに現れる「抵抗の6つの心理階層」と呼ばれるものがあって、その抵抗を裏返して、合意形成に導くというものです。
抵抗の6階層はこちら(↓)
1. 取り組もうとしている問題が、問題であるとは思わない
2. 解決しようとしている方向(あるべき姿)に、合意できない
3. その解決方法で、問題が解決するとは思わない
4. その解決方法を実行すると、マイナスの影響が生じる
5. 提案されている解決方法を実行すると障害が発生するので現実的ではない
6. 未知のことへの恐れ
ターゲット
ツールを使う対象者は営業職ということですが、提案をする場面は、他の職種にも地域のコミュニティでも、プライベートにも活かせるものだと思います。
(ただプロポーズなんてものに使おうとしても、作ろうとして早々につまずくと思いますが・・)
イベント
今回は、こちらのイベントに参加しました。
【東京開催】 マフィアオファー イントロダクション 〜Mafia Side of the TOC〜
そして、本家のセミナーはこちら(↓)
マフィアオファーブートキャンプトレーナー育成コース(基本編2回+実践編4回)
・・お高いですね。もちろん相応のリターンはあると思うので、参加したい方は結構ですが(むしろオレが参加したい)、概要を知りたい方は、私が参加したものと同様、イントロダクションがよいと思います。
次の開催に期待しましょう。
具体的にどうやるの?
最初に書いた通り、抵抗の6階層を裏返した「合意形成の6つのステップ」があります。
1. 問題に合意する
2. 問題解決の方向性に合意する
3. 解決方法が、問題を解決させることに合意する
4. 解決方法が、重大なマイナスの影響(副作用)を生まないことに合意する
5. 解決方法の実行を妨げる障害を克服方法に合意する
6. 未知のことへの恐怖感を克服する
抵抗の6階層(再掲)
1. 取り組もうとしている問題が、問題であるとは思わない
2. 解決しようとしている方向(あるべき姿)に、合意できない
3. その解決方法で、問題が解決するとは思わない
4. その解決方法を実行すると、マイナスの影響が生じる
5. 提案されている解決方法を実行すると障害が発生するので現実的ではない
6. 未知のことへの恐れ
最終的に、上記の合意形成に必要なものを準備します。
まず、マフィアオファーをつくる前提が、自社の製品、サービスが存在している「営業」ということなので、必ず、売りになる客観的な特徴がある、ところからスタートします。
(先ほど、プロポーズは早々につまずきそうといったのは、自分の売りになる客観的な部分を探すことに難儀しそうだったから。自分に自信のある方は、プロポーズでも利用可能だと思います)
今回、イベントのワークでは、「自分が提案した街を売り出すこと」がテーマでした。私が提案したのは、住まいの近所の浅草。
以下、実際のワークで書き出したものですが、内容としては、十分な検討ができていないかもしれません。
(1)「客観的特徴」を3つ程度出します。(上記の右端)
質問や説明に使うので、これより多いと焦点が絞れずに困ると思います。
実際、ワークの中では、私は、顧客役でしたが、関連する3つの質問をされて、なげーよという感想を持ちました。
浅草の場合、
大事なことは、誰が見ても、把握できる特徴です。
最初、1番目の特徴として「外国人観光客が多い」という書き方にしていましたが、客観的ではないということで上記に変更しました。
(2)「客観的特徴」から「直接実現できる良い状態」を挙げます。(上記の右から2番目)
- 外国人観光客への対応がしっかりしている
- 1日でたくさんのスポットが見て回れる
- どこにでも(宿泊先、空港、観光スポット)に移動しやすい/旅行プランが立てやすい
(3)次に「問題質問」というものを書き出します。(上記の真ん中)
顧客の良い状態を裏返して、顧客の困り事を質問にします。
- 「外国人観光客への対応が不親切だと感じませんか?」
- 「1日でたくさんのスポットを見て回りたくありませんか?」
- 「観光スポットから他の場所に移動しにくいことはないですか?」「旅行プランが立てづらいことはないですか?」
簡単なように見えて、実際には、裏返すということが難しい。。
(4)この後、「問題質問に対する例え話」「問題質問の分野(ラベル)」をつくります。(上記左の2項目)
- 道案内でいい感じで答えてくれる人が近くにいない
- 田舎だと他に行く場所がない
- バスの本数が少なかったり、タクシー以外の移動手段がない
- バリエーションに富んだ旅ができない
(5)ラベルはこんな感じでつくりました。
- 対応/サービス
- 人気エリア
- 交通手段
- 旅行プラン
(6)ついで、「問題質問」からエスカレートした「重大質問」というものを考えます。
平易に言うと、問題質問から想起されるより根源的な問いです(だと思います)
- 旅行先で不安になったことはありませんか?
- 移動に時間がかかってイライラしたことはありませんか?
- (バリエーションが少ないことに対して)一緒に旅行に行った人と別々のところに行きたいことはないですか?
このときに、重大質問の「関係者」も合わせて考えます。
(7)さぁ・・・ここまで準備してようやく提案シーンです。
チーム内で、役割を分けます。
テーマの街を提案した人が、提案の受け手(私)、残った人が「営業(提案を行う)」「企画者(提案の評価、提案の記録)」となります。
提案と企画者は、隣のテーブルに移動です。
話す順序は、以下の通り。
(問題質問)
1. 「(ラベル)について話してください。」
2. (問題の例え話)から、(問題質問)を行います。
3. ここで「あなたの問題は、〜ですね」と問題の特定をします。
この1〜3をラベルの数だけ行います。
これはワークだったからでしょうけど、実際の営業場面では、特に抵抗を示す、合意が得られていない部分だけでもよいと感じました。
私は、顧客役だったので、3つの問題質問を投げかけられましたが、なげーよ、と感じたわけです。
その後、(重大質問)(良い状態)で作ったものを元に以下の問いを行っていきます。
(重大質問)
4. 「あなたの他に影響がある人は?」
5. (重大質問)について、さらに、影響があること、「〜な方は関係していませんか?」
6. ここまで踏まえて、「これは全社(相手が所属する組織)的な問題なようです」という確認します。
(良い状態)
7. 「これを解決するために何か実施されていますか?」
8. 「解決方法(製品の特徴)を紹介してもよろしいですか?」「もし、〜ならば、問題は解決できそうですか?」
9. 次回関係者に合わせていただく約束します。
ここら辺も、相手が不安に思ってそうな質問に絞って行うべきかと思います。全部、律儀にやることで、焦点(不安の解消)がぼやける気がします。
気になる点
交渉している相手を説得できても、決済権限のある上席者にも説得が必要です。
上席者との約束をとりつける、という流れはありますが、この交渉の後、交渉した相手が上席者に説明するとき、同じように説得してくれるでしょうか?というと難しい気がします。
交渉相手が、話を聞いてみて「おぉ、それは全体の問題だ!上を呼んできます!」となっても、後日、その人が上席者に説明に行くとき、うまく説明できないと「いいよいいよ、断っておいて」で片付けられるかもしれない。
“最初から決済権限者に同席いただく”、もしくは、“次回のアポの確約”が大事ですね。
あと、一緒にワークを行ったチームメンバーの意見として、売りつける、説得する、ということが強要するように感じれて、抵抗があったという話がありました。(彼は開発職)
私も、本当に、信じられる商品やサービスを売り込む際は、それを後押しするものとして、ぜひ、使いたいと思いますが、単に売り込みたいというとき、葛藤がありそうです。
(葛藤は葛藤で、TOCfEでいうクラウドでも書きましょう)
使えそう、という気はしますが、作ることにも、提案にも練習が必要だと思います。
参考
TOC-ICO2014マフィアオファーから始めるセールスバッファマネジメント
http://www.slideshare.net/NishiharaTakashi/tocico2014
20140630 TOCfE関西_マフィアオファー事例報告_xddpのマフィアオファーほか_公開用
http://www.slideshare.net/masakazuyagi9/20140630-to-cfexddp
勝手にマフィアオファーin松山
http://www.slideshare.net/nishiharatakashi1/ss-39631408
金沢マフィアオファーワークショップ
http://www.slideshare.net/NishiharaTakashi/20140712-kanazawa-mafiaoffer