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自閉症スペクトラム視覚体験しました

LITALICOさん主催の自閉症スペクトラム視覚体験ワークショップに参加しました。
自閉症スペクトラム(※)の方の視覚をシミュレーターを使って体験するというワークショップです。

大人のASD(自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群)

専門家ではありませんので、以下の内容は、医療、自閉症スペクトラムに関わる方から見ると、齟齬があるかもしれません。(指摘いただければ、修正いたします)

体験の前に

実際、体験する前に、同シミュレーターの研究開発者のお一人の長井志江(ながいゆきえ)先生の講座がありました。(まだ研究中で、誤解があってはいけないということで、ワークショップでは、先生の講義も同時に行われているそうです)

講義の概要は、ほぼこちらの内容で、おさえられていると思います。
ASD視覚体験シミュレータ


研究の意図

自閉症スペクトラムの方はコミュニケーション障害とされていますが(診断は、コミュニケーション障害の症状から出されます)、視覚、聴覚のインプットが定型発達者と異なることがあるそうです。
(全員がそうというわけではないとのこと)

その結果、インプットの情報が異なるため、或いは、同じ脳の機能の問題などから、コミュニケーションというアウトプットが、定型発達者と異なっている可能性がある。

この研究により、

  • 定型発達者に近づけるという取り組みでなく、事実に沿ったサポートができるようになる
  • 研究から得られた事実から、コミュニケーション、アウトプット障害の因果関係を明らかにしていく

などの効果を期待されているようでした。


視覚体験

VRのシミュレーターを使います。ここでは、マンション、駅、学校の食堂などの動画を見ました。
(リアルタイムに、外の景色を見ながら体験できるものも開発中とのことでした)
それぞれ2,3分の動画で、定型発達者の見え方に続き、同じ場面で、ASD者の見え方が流れるものでした。

輝度が大きい場所だと、コントラストが異常に強く出て見難いですし、
駅は、電車など動きがあるものが入ってくると急に無彩色に近くなったり、
人混みだと、雑音がそのまま視覚化したようなキラキラした見え方になります。

輝度が大きいところの例だと、定型発達者でも
「うわっ、眩しい!」ということはあるかと思います(例えばスキー場に降り立ったとき)が、
瞳孔の収縮が遅く、一瞬ではなく、長く続くイメージのようです。

通常、ノイズにあたる情報は、定型発達者は慣れによって、ノイズを小さく処理するものが、ASD者は、ノイズも中心にある情報と同じ大きさ、明瞭さで拾ってしまう。実際には、視覚より聴覚の障害が多いそうですが、聴覚も同じです。話者の会話の音も、部屋の空調の音も同程度に拾ってしまう。

確かに、これがずっと続くと確かにしんどい、長時間見聞きしてられないと感じましたし、
同じテーブルで体験された方は、思ったより怖かった、という感じ方をされていました。

人混みに行くのがつらい気持ちは理解できるかと思います。

参考動画

How Autism Sees The World
https://youtu.be/pX9TcYHW5TY

Sensory Overload Simulation - What is it like to be extremely sensitive in daily situations?
https://youtu.be/KurXpARairU

結論

シミュレーターというより、ワークショップとしては、ASD者のためというより、周りの方に、理解してもらうために効果があるように思います。

ASD者の考えや行動をやる気や怠けの問題に捉えない、定型発達者にASD者を近づけるのではなく、
理解できるから、”こういうインプットがある人なら、こういう伝え方をすればいいんじゃないか?”というコミュニケーションやサポートができるようになる。

結局、いまの大人の認識の固さが問題をこじらせているようにも感じます。そういった周りの大人に説明するためにも、コミュニケーション障害との因果、研究からわかった効果的なサポート事例なんかが増えるといいなと思います。

いろんな方に体験して欲しいという気持ちは、参加者、皆さんが持たれていました。

あと、
「子どものころから、こういう事実やサポートについて考える機会があるといいね」
ASD者が、自分の弱点を自分から周りに伝えたり、自助の手段を選び取ったりできるようになって欲しい」
という意見もありました。

そういったことができる機会も、こういうワークショップを通じて、実現に近づくことかもしれません。(VRは、15歳未満はNGです)


ワークショップ参加者が感じた要望

講座、視覚体験の後、参加者からは、こんな要望が上がりました。

  • ワークショップを地方でもやってほしい
  • 学校にもシミュレーターを置いてほしい
  • クワイエットタイム(※)を日本でも、様々な地域、スーパー以外の店でも実施してほしい

自閉症の顧客のために"音のない時間帯"を導入したスーパーマーケット(オーストラリア) : カラパイア


今後の展開

もっと多くの場所で実施いただきたいですが、研究中ですし、このワークショップを広くやるには、もう少し時間がかかりそうです。
ゴーグルやヘッドセットは市販のものなので、ある程度、保証された内容なら、各地で先生の講義がなくてもやれるようになるかもしれませんね。

社員の方もスタッフ、ファシリテーターとして各テーブルに1名以上ついていただいて、手厚く過ごしやすいイベントでした。

先生、社員のみなさん、ありがとうございます。