nohdomi's blog

EC、ファッションのITサービス、TOCfEによる問題解決(だったはず)

箱庭といふものを、オレもしてみむとて、するなり

以前から興味があった「箱庭療法」というのをやってみました。


箱庭(療法)って

心理療法の一種で、砂遊び(箱庭づくり)を通じて、精神的健康の回復・保持・増進をするというものらしいです。
箱庭療法(wikipedia)
心理療法(wikipedia)
英語だと、Sandplay Therapyなので、砂遊び療法というのが正しい訳なんでしょうけど、日本で広めた河合隼雄がスイスで初めてみたときに、「箱庭」に似てる!って思ったためにこの名前で通っています。砂の入った箱の中で、砂の形を変えたり、モノを置いたり、並べたりする。これが治療につながるそうです。

なんで箱庭やったの?

この辺、自分の中にはいろいろあるんですが、去年から河合隼雄にハマってて、この人の周辺に自分の知りたいこと、やりたいサービスのヒントがあると、最近、考えてます。その河合隼雄が広めた「箱庭療法」って何よ?→やってみたい!が動機です。

どうやったの?

ネットで調べて、体験できるところを見つけて申し込みました。

私は、興味があってちょっとやってみたい、という程度だったのですが、調べてみると、
心理療法の一種なので治療が全面に出ていたり、
オカルト的なもの(この辺専門家でもないので、何がちゃんとしたものなのかよくわからない)
サイト自体の作りが貧相で怪しかったり、
意外と手頃なものが見つかりませんでした。

今やってないみたいですけど、こんな感じ(↓)の体験みたいなやつを探しました。
クリエーション・アカデミー | 箱庭体験


箱庭つくってみたよ

私が会場に到着したときには、他の方々はもう作り終わっていて、感想なんかを共有してました。

他の参加者の方々は、砂をどかして水色の底辺を出して、水に見立てたり、アイテム沢山置いたやつを作ってて、へぇーオレもこんなんできるかぁ、と思って眺めてました。

一通り、皆さんの感想が終わると、「じゃあ、つくってみましょうか」と言われて、早速やってみました。

つくったときの気持ちは以下のような感じ。

  1. 他の参加者が、水が目立ってたので、オレもやってみようと思いましたが、いまいちピンと来ず。
  2. まずは砂をならしてみようと思いましたが、ならしてみるとこれもピンと来ず。
  3. 拳で適当にデコボコをつくってたら、急に木を置きたいという衝動に駆られました。
  4. そこで、何個か木を置いてみたところ、いやまだ足りない、まだ足りない、と
  5. とにかく、部屋にある木の置物を片っ端から持ってきて置きました。
  6. と、今度は「なんか寂しい」、何か置いてみたい。と思い、見渡すと手頃な教会が。
  7. 教会を置くと、じゃあ教会に行くのには、道がいるよね、と砂をならして、道をつくりました。
  8. 寂しいのは人がいないから、かな、と思いましたが、どうも人を置くことがしっくりきません。
  9. 何となく、この森(すでに私の中では森な気分)には、人はいないんだな、と感じました。
  10. でも人がいる痕跡はあったほうがよかったので、荷車を置いてみました。
  11. あとは、未開の森ということで、ゴツゴツした岩を置いてみて、完成です。

ここまで10分程度でした。

河合隼雄の本でしかしらなかったですが、確かに置いてみたり、何を置くか探していると、コレかな、という感じがあったり、ここに置くならコレしかない!っていう感じはありました。

参加者との感想共有

終わってみて、先生から聞いたキーワードとしては、

  • 私がつくった箱庭には、水は無いけど、水と一緒で、深い森も無意識を意味する。
  • 左上は父性、右下は母性を表す。
  • それをつないでいる(道)ので、バランスはとれている

等。

あとは、位置だけでなく、置く順番、にも意味があったり、見る方向で随分景色が違うというのもおもしろいです。

  (後ろ)     (左横)     (右横)      (上)

先生には、いろいろお話いただいたんですが、そもそも、箱庭では、あまり解釈というものを重要視しないそうです。あくまでクライアントに寄り添う。

箱庭の効果

寄り添うだけで、治療になるのか?というと、全然詳しいわけではないので、間違ってるかもしれませんが、療法としての効果は、こんな感じなのかと。

  • つくるものをみて気付く

→何らか、自分を投影しているとすると、自分をみつめるという効果?

  • 表現すること自体が改善

→普段表現できていない部分が出てくる?また表現やコミュニケーション自体が不得意な人には効果が高い?

  • 時にカウンセラーと一緒に言語化して、気付く

→積極的にはやらないようですが、実際に分析に近いこともやってみて、別の気づきを得たり


その他

いくつか、先生や参加者の方に質問してみました。

Q. 何回くらい続ければ、いいのか?
A. とりあえず、10回やってみようと言われた方もいましたし、50回やると人のを見ても面白くなるとか。

Q. 治療としてのゴールは?
A. 川やいくつかの世界が散らばる「分断」と言われる箱庭から、「統合」というバランスが取れた状態の箱庭になったとき。曼荼羅的なもの(統合の代表的な形?)が現れたら、治療としては終わりに近づいたと判断することがあるそう。

Q. カウンセラーや周りの人が感想を思ったままに述べていいか?
(例えば、その人の心象を写していたなら、バラバラですね、とか言うことで、作った人を傷つけたりしないか?)
A. だから、寄り添う、ということが大事。その人のことを気にかけていれば、大丈夫。

これから

しばらく自分の中で置いてみて、更にやってみたければ、やってみようかと思います。
ただ、ずっと気になって、やってみたかったので、やれてよかったです!

今回やる前、やった後に読んだ本

心理療法個人授業 (新潮文庫) 箱庭療法入門